合名会社、合資会社、合同会社という会社の総称を持分会社という。(575条1項)
株式会社と違い、出資者である社員の個性を従事する運営体制が採られている。原則として社員が経営に参加する。(所有と経営の一致)
※ 持分会社であっても定款の作成も登記も必要。
※ 持分会社では、社員が会社に出資をし、持分の譲渡には他の社員の同意が必要。
※ 合名会社は、無限責任社員のみで構成される。(576条2項)
※ 合資会社は、無限責任社員と有限責任社員の両方で構成される。(576条3項)
※ 合同会社は、有限責任社員のみで構成される。(576条4項)(合同会社は、資本金の額も登記事項)
〈設立〉
持分会社を設立する場合、社員となろうとする者が定款を作成し、出資し、登記をすることが必要。
合名会社、合資会社の場合、社員の出資の履行は会社成立後でもよい。(578条)無限責任社員は、金銭その他の財産による出資のほか信用・労務による出資(自分の信用を会社に利用させることや労務の提供をもって出資とすること)も認められる。(576条1項6号)
〈業務の執行と代表〉
持分会社では、社員が会社の業務を執行する。
定款で業務執行社員を定めない場合、社員が複数いるときは社員の過半数で業務の執行の決定を行い、各社員がこれを執行する。(590条1項・2項)
定款で業務執行社員を定めた場合、業務施行社員が持分会社の業務を執行し、業務執行社員が複数いる時は、業務執行社員の過半数で業務執行の決定を行う。(591条1項)
〈退社〉
持分会社の社員がその資格を失うことを退社という。
退社した社員は、持分会社から持分の払戻しを受けることができる。(611条1項)
〈組織変更〉
持分会社を株式会社に変更することや、株式会社を持分会社に変更することを組織変更という。
持分会社を株式会社に変更する時は、総社員の同意が必要。
株式会社を持分会社にする時は、総株主の同意が必要。(776条、781条)