能力には、権利能力、意思能力、行為能力がある。
幼児や認知症を患っていて意思能力がない者が契約をしても、その契約は効力を有さない。(無効)
法律行為を単独で有効に行うことができる能力(行為能力)を制限された者を制限行為能力者と言う。
- 未成年者…18歳未満の者 (保護者は、親権者、未成年後見人)
- 成年被後見人…事理を弁識する能力がほとんどない人で家庭裁判所による後見開始の審判を受けた者 (保護者は、成年後見人)
- 被保佐人…事理を弁識する能力が多少ある人で、家庭裁判所による後見開始の審判を受けた者 (保護者は、保佐人)
- 被補助人…事理を弁識する能力がそれなりにある人で、家庭裁判所による補佐開始の審判を受けた者 (保護者は、補助人)
成年被後見人が、勝手に行った法律行為は取り消すことができる。
(日用品の購入などは、取り消すことができない。)
成年被後見人が、成年後見人の同意をして契約しても、その契約は、なお取り消しの対象となる。
被保佐人が補佐の同意を得なければならない行為は、13条1項で列挙されている。それ以外の行為でも保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。
保佐人・補助人は、もともと代理権を有さない。代理権付与の審判により代理権を認めることはできる。本人以外のものが請求によって審判をするときは、本人の同意が必要。
未成年者も、成年被後見人も法律行為の取り消しはできる。追認は、できない。(催告をしても意味がありません。)
補佐の場合、「開始」の審判を本人以外の者の請求で行う場合は、本人の同意は不要。「代理権付与」の審判の場合は、本人の同意が必要。補助人の場合は、両方必要。
補助人は、審判で定めた特定の行為については同意見・取消権・追認権を有する。
保佐人・補助人の同意を得て、被保佐人・被補助人に催告をすることはできます。返事がなければ、取り消しみなしとなります。
失踪の宣告の要件
※ 普通失踪…不在者の生存を証明し得る最後の時から7年間(失踪期間)が経過したこと。(死亡とみなされる時点は、7年間の期間満了時)
※ 特別失踪…戦争の終了時、船舶の沈没時その他危難の去った時から1年間(失踪期間)が経過したこと。(死亡とみなされる時点は、危難が去った時)
※失踪宣告は、失踪者が一応死亡したものとして、失踪者の今までの法律関係を清算しようとするものにすぎないから、失踪の宣告によって失踪者の権利能力が消滅するわけではない。したがって、失踪者が他所で行った行為や従前の住所に帰来後の法律関係には、失踪宣告の効果は及ばない。