29.贈与契約

贈与契約は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表現し、相手方が受諾することによって、その効力を生ずる契約。(549条)

贈与者は、贈与の目的である物または権利を、贈与の目的として特定した時の状態で引き渡し、または移転することを約したものと推定される。(551条1項)


〈書面によらない贈与の解除〉
書面によらない贈与は、まだ履行が終わっていなければ、各当事者が解除することができる。(550条)

AがBに対して土地を贈与する契約をした場合。
※ 書面によらない贈与契約なら各当事者が解除できる。(550条本文)
ただし、履行の終わった部分は解除できない。(550条ただし書き)(不動産は引渡しまたは登記移転、動産は引渡しがあれば、「履行の終わった部分」に該当)


〈定期贈与〉
定期贈与の場合、贈与者または受贈者死亡によって効力が失われる。(552条)(毎年10万円あげるというような契約が該当)


〈負担付贈与〉
負担付贈与の場合、相手が負担を履行しない場合贈与者は贈与契約を解除できる。(553条)(草むしりをしてくれたら、時計をあげるのような契約が該当)


〈死因贈与〉
死因贈与には遺贈の規定が準用されるため、いつでも撤回できる。(554条)(「私が死んだら上げる」という契約は、遺言のルールが使われる。)


〈負担付死因贈与〉
負担付死因贈与契約の場合、生前に受贈者が負担を履行したときは、特段の事情のない限り、撤回できない。(最判昭和57.4.30)(庭の草むしりをしてくれたら、私が死んだらあげると契約したとき、受贈者が草むしりを終えた後はこの契約を撤回できない。)

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