31.使用貸借契約

使用貸借契約… 当事者の一方があるものを引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物について無償で使用・収益をして契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力を生ずる契約。(593条)(諾成契約)

〈使用貸借契約の解除〉
Bが子どもの発表会の撮影のためにAからビデオカメラを無償で借りた場合。

① 借用物の受取り前であれば、貸主から契約を解除できる
※ 書面によらない使用貸借の場合は、Aは、Bが借用物を受け取る前であれば、契約を解除できる。(593条の2)

② 期間の定めのない場合、貸主から契約を解除できる
※ 使用・収益の目的が定められている場合は、AはBがその目的に従った使用・収益をするのに足りる期間を経過したときは、契約を解除できる。(598条1項)
期間の定めのほか、使用・収益の目的も定めなかった場合は、Aは、いつでも契約を解除できる。(598条2項)

③ 借主Bは、いつでも契約を解除できる。(598条2項)


〈費用〉
借主は、借用物の通常の必要費は自分で負担する。(595条1項)
借主が通常の必要費以外の費用(特別の必要費や有益費)を支出したときは、借主にその償還を請求することができる。(595条2項)
有益費の場合、その償還について、借主の請求により裁判所が相当の期限を許与することができる。(595条2項、583条2項)

〈借主による収去等〉
借主は、借用物を受け取った後にこれに付属させた物収去することができる。(599条2項)。
また、使用貸借が終了したときは、その付属させた物を収去する義務を負う。(599条1項本文)
借主は、借用物を受け取ったにこれに生じた損傷がある場合、使用貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。(599条3項本文)

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