1.法律

法律は、国会で制定された後、「交付(こうふ)」されることで周知され、一定の周知期間を経て、施行期日の到来により「施行(しこう)」される。
(施行のための準備が不要であったり、緊急を要するときなどであれば、法律の公布の日から施行される場合もある。【即日施行】)
(法の適用に関する通則法2条では、「法律は、公布の日から起算して20日を経過した日から施行する。ただし、法律でこれと異なる施行期日を定めたときは、その定めによる。」と規定されている。)

※ 交付とは、成立した法律の内容を広く一般に周知するため公示する行為。(官報に掲載するという方法で行われる。)
※ 施行とは、法律の規定の効力を現実に発動させ作用させること
※ 例えば、国会で法律が作られ(令和3年5月26日)、天皇が法律を公布し(令和3年5月31日)、令和4年4月1日に法律が施行されて法律が効力を生じ、国民に適用される。


〈法律用語1:準用する〉

法令の個々の規定を、本来であれば適用されない他の場面に適用する場合に使われる。

120条「Aの場合は、△△というルールを適用する」
125条「Bの場合は、120条の規定を準用する」
※ Bの場合も、Aの場合と同じルールが用いられる。

「~の例による」:ある事項について、それとは異なる事項について規律する他の法令の制度または規定を包括的に当てはめて適用するときに用いる。

「なお従前の例による」:法令の改廃により旧規定は効力を失うが、一定の事項については旧規定を適用するときに用いる。


〈法律用語2:又は・若しくは〉

選択される語句に段階がない場合は「又は」のみが用いられる。
選択される語句に段階がある場合は、一番大きな選択的連結に「又は」を用い、他の小さな選択的連結には「若しくは」が用いられる。

~ 単なる選択 ~
「借財又は保証をすること」(民法13条1項2号)

~ 段階があるとき ~
「相続の承認若しくは放棄(小さな選択)又は遺産の分割(大きな選択)をすること」(民法13条1項6号)


〈法律用語3:並びに・及び〉

並列される語句に段階がない場合は「及び」のみが用いられる。
並列される語句に段階がある場合は、小さな並列的連結に「及び」を用い、他の大きな並列的連結には「並びに」が用いられる。

~ 単なる並列 ~
「行政庁は、聴聞を行うに当たっては、聴聞を行うべき期日までに相当な期間をおいて、不利益処分の名あて人となるべき者に対し、次にあげる事項を書面により通知しなければならない。
三 聴聞の期日及び場所」(行政手続法15条1項3号)

~ 段階があるとき ~
「当事者又は参加人は、聴聞の期日に出頭して、意見を述べ、及び証拠書類等を提出し、並びに主宰者の許可を得て行政庁の職員に対し質問を発することができる。」(行政手続法20条2項)


〈法律用語4:推定する・みなす〉

~ 推定する ~
法律上、一定の事実があるものとして扱うが、反証があればその取扱いが変わるときに「推定する」が用いられる。

「前後の両時点において占有をした証拠があるときは、占有は、その間継続したものと推定する。」(民法186条2項)
(土地をある時点において占有していたことと、それから10年後において占有していたことを証明すれば、その間の占有は継続していたという別の事実の存在が推定されたことになる。)

~ みなす ~
法律上、一定の事実があるものとして扱い仮に反証があったとしてもその取扱いは変わらないときに「みなす」が用いられる。

「前条(113条:無権代理)の場合において、相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、本人がその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなす。」(民法114条)
(催告に対し、追認するともしないとも返事をしなければ、法律上は、追認拒絶したものと扱われ、後になってから追認拒絶していないと証明したとしてもその効果を覆すことはできない。)


〈法律用語5:以上・超える、以下・未満〉

~ 以上・超える ~
一定の数量を基準として、その基準数量を含んでそれより多いときに「以上」をもちいる。
一定の数量を基準として、その基準数量を含まずにそれより多いときに「超える」を用いる。「過半数」は、その基準量を超えるときに用いられる。

「メンバーのうち100人が出席し、出席した者の「過半数」の賛成が必要。(過半数は、51人以上を指す。)

~ 以下・未満 ~
一定

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